小幡敏の日記

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自衛隊の人材難

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6364373

 

これをびぼう策と言わずになんと表現すればよいのか。

どういう過程でこの馬鹿げた対応策が受け入れられたのかはしらないが、星付きと背広がそろいもそろって、無能もいいところである。

イージスアショアがその有効性ではなく、単に人材不足を原動に後押しされていたことを白状しているようなものではないか。

 

自衛隊の中にいた人間なら皆認めるところだろうが、自衛隊、特に海自の人材難というのはもはや尋常ならざる水準にある。

 

戦争は人がやるんだというと、まるで精神の弾で戦えといった旧軍の将軍、参謀連を想起する阿呆もいるだろうが、少なくとも今の科学水準をもってしても、やはり戦争というものは人で成り立っている。

 

そして、この人が頭数からして圧倒的に不足している状況にあって、はたして兵の精強が保たれると思うのか。

 

皆まではいわない。そういうことだ。イージスアショアなんて問題じゃない。

問題はただ、自衛隊の境遇すなわち国民の国防意識欠如にある。

 

それでもなお、軽薄でおぞましい広報戦略(戦略といえた代物ではないが)にかまけているくらいの努力しか見せない自衛隊も情けないが、普段文民統制を履き違えて自衛官に如何なる発言も許さない文民様がまるで声をあげぬのもふざけた話である。

 

私は軍人が国防に必要な範囲において国民に要求を成してもいっこうにかまわんと思っているが、これを妨げるのであれば、その尻は文民が拭け。

 

自衛隊はかく窮状にある、国民は斯く斯く然々の努力協力を惜しむな、そう文民が言えなくてどうする。それがおよそ望めないのであれば、そもそも今日本で期待されている文民統制の在り方が機能しておらぬのだから、これを見直せばよい。

 

腹をくくってどちらかに決めなさい。さもなくば誰が困るか。今この国に国防に責任をもつものは誰一人としていないのである。自衛官などには決して期待するな。自衛官の中に国防への責任を負う気概など皆無である。

 

いいか、皆無だ。これはもう動かしがたい事実であり、誰も否定出来ないはずだ。

 

繰り返すが、文民統制などくそくらえだ。なぜなら、国防に責任感覚のある文民などこの国にだれ一人としていないのだから。そんなものが『統制』とよべるものか。統制をかたるのであれば、よろしい、ちゃんと統制してもらおうじゃないか。まずは自衛隊の充足くらいなんとかしてもらおう。

 

それなくして一体この国がまともな安全保障体制を築くことなどあり得ない。

 

それでよいならいい。私は断じて受け入れられないというだけだ。ひとりでも抵抗していく。