私ももう三十を目前にして、特攻隊に憧れるというのにも年を取りすぎたのかもしれないが、依然として特攻隊員の凛々しい姿は私の憧れの中心にある。
また、特攻隊というと華々しいが、あの戦争では陸上戦闘においても実に無数の無名の男たちが決死行のなかに倒れたのであり、沖縄戦ではまだあどけなさの残る鉄血勤皇隊の少年たちが急造爆雷を抱えて戦車に轢かれていった。
私は彼らの純真な敢闘精神を思うといつでも涙を禁じ得ず、血の湧きたつのを感じる。
今の日本人に斯様な美しい姿となる力はない。
曰く、戦争はしてはならない。
それはなぜか。前途ある少年が急造爆雷を抱えて死んでいくような悲劇を生まぬためか。
いや違う。現代のくそったれジャップどもにそんな力はなく、爆雷を抱えさせれば無様な醜態を曝すからに他ならない。
日本人は自ら死に様を選ぶことなどできないのである。チューブにつながれ、人に尻を拭かれて惨めな姿で死んでいくがいい。それが今の日本人一同にはお似合いだ。
戦場での美しい死に様など、我々には相応しくない。