馬鹿を教育しても、教育のある馬鹿になるだけだ。(フォルスト)
というのはともかく、帝国陸軍には、
1天、2敬、3表、4馬鹿、5理屈
という通説というか俗言がありました。
これは出世に適した属性の順を示したもので、天は天保銭、すなわち陸大出身であること、敬は敬礼で、とにかく慇懃で上官に逆らわず、組織に忠実であること、表は沢山図表などを拵えてよく勉強しているように見せること、馬鹿はそのまま馬鹿で、それより下に理屈を言う者がくるわけです。
これなど、今の日本にだって立派に通用するでしょう。僕は決して理屈っぽい方だと思いませんが、世間の人は道理を説けば理屈っぽいもんだと考えますから、まずドンケツに位置するわけです。
どうにもこうにも、日本では理屈がたつやつはとことん嫌われることになるのは変わらんということです。理屈といえば聞こえが悪いですが、それは道理といっても合理といっても話は同じこと。この国ではいつでも筋の通ったものが疎まれる。まったく、勘弁してくれとしかいいようがない。