小幡敏の日記

評論を書いております。ご連絡はobata.tr6★gmail.comまで。(☆を@に))

2023-01-01から1年間の記事一覧

表現者クライテリオン1月号

表現者クライテリオンも、創刊から丸六年とのことで、宗教特集が初めてというのがむしろ意外な感じがしますが、この特集に久し振りに寄稿したのでお知らせします。 宗教は語れば語るだけ当の御本尊が逃げていくようなところがあるので、これを書くにはだいぶ…

大岡昇平について

昨日早稲田大学で國策研究會主催の浜崎洋介氏講演会に出向いたが、講演後にいくつかあった質問がどれもまあ無礼なものばかりで、俺はやっぱりこういうのは出来ねえな、と改めて思った。 もっとも、これが政治運動ならば、悪魔でも気の良いやつとは取引してや…

宗教とはなにか

最近エホバだなんだと喧しいが、テレビやネットに溢れる『宗教批判』の中に、私は真面目なものも、なるほどと思えるものにも、ただの一つも出くわしたことはない。どれをとっても、およそ真剣に宗教と向き合ったことのないものが、『太陽は暑いからぶっこわ…

退役軍人

北國の友

昨日まで三泊四日で北海道におりました。 自衛官を辞めて林業兼猟師になった友のところに厄介になり、久し振りに愉快な時間を過ごすことができました。 彼は『このまま自衛官を続け、全てをこの国と自衛隊に捧げる覚悟がなかったんだな』と言っておりました…

『忘れられた戦争の記憶』について

二冊目となる標題の本を出して二ヶ月以上経ちました。 特段反響もないため、著者としては全く暖簾に腕押しというか、手持ち無沙汰な状態を強いられているわけですが、これは一冊目でも慣れているので、黙って日常に耐えるしかないわけです。 しかしながら、…

日本人的根性

https://approach.yahoo.co.jp/r/SwgTLr?src=https://news.yahoo.co.jp/pickup/6477275&preview=auto ネットニュースを拾って何か言うのは趣味ではないが、これはいくらなんでも酷いのではないか。 何が酷いって、この事故に対する日本人連中の反応だ。 無免…

僕の友達は最高の仲間です

僕は友達が少ないことで有名なわけで、これはもう筋金入りなわけですが(だから憎まれっ子世にはばかるなんてのは当然例外があるわけです)、そんな僕にも友達はいます。 高校以前の友達というのはほとんどおらんで、唯一といっていい気を許したやつは早々に…

老人に期待するものは

クライテリオンのメールマガジンに86歳の方から寄せられた文が載っておりました。 自衛戦争に備えよ、ということで、内容については大きな点において反対するところはありません。むしろ、米寿を控え、日本の安全保障環是正を願って筆を執るその熱意には頭が…

阪神優勝おめでとう

先週関西を回って、環状線のホームに居た全身タイガースのおっちゃん(阪神ファンはな、兄ちゃん、一周回ってレフトや、これ名言やで!)と話してから阪神タイガースファンのファンですが、なにはともあれ、十八年ぶりの優勝おめでとう。十八年前といえば、…

世間の狭さよ

7月に出した本の中で引いたものに、延安捕虜日記というものがありますが、これの著者は東京帝大を出て当時大陸で公職にあった鈴木伝三郎という人です。 この人は家族で鉄路を移動中に八路軍に襲われ、妻子をそこで亡くすことになりました。 私自身は当然、こ…

下を向いて歩こうの日本人

芸能事務所のスキャンダルで世間は騒がしいようですが、僕は特段興味はありません。 アイドル文化など滅びてしまえばよろしいと物心ついた頃から思っているし(そうは言っても南沙織とキャンディーズが好きな時期はありましたが)、こんな歪んだ不健全な文化…

暗黒日記

清沢洌の暗黒日記というものがあります。 清沢は硬骨のリベラルジャーナリストで、彼が戦時下で綴ったものがこの日記。 敗戦を間近に惜しくも亡くなることになる清沢のいわば遺作でもあります。 讀賣新聞の中野好夫評は以下。 正直にいって戦後九年、いっか…

無名のスカウト戦士

信州勉強会で少し話題に出ました戦時下ボーイスカウトの逸話について、紹介しておきます。 レリーフ (以下文字起こし) この影像は 南洋のどこかの島であった激戦のあとの まだなまなましい実話の記念像である 一人のアメリカ兵が重傷をおうて倒れていた 銃声…

戦記紹介2

沖縄については、色々言われます。 確かに現在の沖縄県庁、主要県メディア、表に出てくる市民活動家をながむるに、これは一体何なのだと、言いたくなる気持ちはよくわかる。 私自身四年あまり沖縄に自衛官として住んでおりましたから、人並み以上に事情は理…

甲子園

メディアは右も左も慶應おめでとうということで、世間の方はどうだが知りませんが、 僕は全く胸糞悪いですな。 慶應に恨みはありませんし、仙台育英の方に肩入れする理由もありませんが、僕は高校野球という在り方が好きだから、現在の慶應義塾高校を応援す…

京都

色々あって京都におりますが、暑すぎて人があまりおりません。それでも外人は肌を焦がしてうろついてますが、ようやりますね。

『忘れられた戦争の記憶』

先日一度告知しましたが、2冊目の本となる『忘れられた戦争の記憶』が明日発売となります。 この本の生命力には私自身期待を掛けているところで、やはり多くの人の手に渡ることを望みます。 夏に向けて七十番煎じくらいの番組なんかが増えてきますから、も…

レコード導入

先日来書斎の改造をしておりますが、終末に親父からDENONのレコードプレイヤーを拝借して、40年選手ながらレコードを導入しました。 今のところこれも親父から借りた30枚ほどのレコードしかありませんが、何より、曲送りもシャッフル再生も出来ないのが良い…

キャスト・アウェイ

なんとなしにトム・ハンクスのキャスト・アウェイの吹替版を観ていたところ、トム・ハンクスが同僚から、 『足の悪い子供の自転車盗んで荷物を届けたやつがよく言うぜ』 とかなんとか冷やかされ、 『盗んだんじゃない、借りただけさ。しかし、足の悪いっての…

表現者クライテリオン7月号

少し告知が遅れましたが、表現者クライテリオン7月号が発売されています。 連載は前号で終わりにしているので、今回は原稿掲載無しですが、その代わりに人形劇結城座先代孫三郎さんの特集インタビューをやりました。 編集委員浜崎さんと出向いて、芸能につい…

ヤマハ NS-10M

ここのところ色々と塞ぐこと多く、暇さえあれば書斎の改造に勤しんでおりますが、今日は親父からYAMAHAのNS-10M(知ってる人は知っているのかもしれませんが、スタジオスピーカーの名機です)を譲り受け、Marantzのアンプを買ってきました。 爺さんの診療所…

書籍刊行のお知らせ

最初の本を出して一年少し間が空いてしまいましたが、二冊目の本が来月でます。 内容は、表現者クライテリオンに連載のものを修正加筆したもので、ビジネス社さんから7月18日に発売となります。 加筆分も半分以上ありますし、内容的には一冊目より大幅に充実…

岸田のバカ息子がどうしたって

身内集めて首相公邸かどこかで忘年会をしただなんだと騒いでおりますが、だからいったいどうしたというのか。 この国のもっとも醜い欠陥は価値の秩序がすっかり失われていることで、偉い人は偉くなく、先生は先生でなく、大人は大人でないということです。 …

フィルムカメラ冬の時代

10年少々遊びで機械式カメラをいじってますが、ここのところフィルムと印刷代の値上がりが尋常一様ではありません。 フィルムは一本500円そこらだったものが、今や1500円以上に。さらに驚異的なのはモノクロフィルムの値上がりで、これの印刷代にいたっては…

ポール・アンカ

音楽は70年代までならわりと万遍なく聴いていましたが(クラシック以外)、1950、60年代のアメリカンポップスは小学生の時から好きで、いまだにコニー・フランシスやニール・セダカ、プラターズ、バリー・マンなどよく聴きます。 さきほど知りましたが、ポー…

自衛官万歳

昨日、自衛隊の再就職援護を訴える出展を訪ねました。 通信科の准尉、賞詞が6段もある准尉が僕らのような鼻垂れ国民に、腰を低くして自衛官の雇用を訴えていました。 僕は元自衛官であるとは言いませんでしたが、やはり彼らに同情した。四十年に渡り、世間の…

入れ墨野郎を自衛官に

https://approach.yahoo.co.jp/r/SwgTLr?src=https://news.yahoo.co.jp/pickup/6462779&preview=auto したいそうですが、いかにも自民党らしい場当たり施策ですな。 馬鹿は放っておくとして、私がかつて一緒に働いた陸曹に、入れ墨を入れていた自衛官がいま…

戦記案内

戦記は何から読めばいいですか、との質問をよく受けるので、少しだけ案内したいと思います。 もっとも、私もあらゆる戦記を渉猟したという訳ではないのですが、現在も販売されており、入手が容易なものとしては、丸山豊氏の『月白の道』がお勧めです。 これ…

講演会御礼

帰ってきてしまいました、花の都東京に。 長野などへ行ってしまうと、帰ってきてからが辛いのですが、そんなことはともかく、信州勉強会を企画運営頂いた北澤さん・前田さん、また遠路はるばる参加頂いた皆さん、どうもありがとうございました。 色々大変な…