小幡敏の日記

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戦略的事柄に局面ごとの是々非々を持ち込んではならない

米国の中東での横暴を問題にして、こんなものに参与する必要はないとか、金を出したのも間違いだと言う者がありますが、そらアメちゃんにあんまり酷ではないですかね。

 

勿論アメリカが世界中でやってきた所業は極悪非道の類いでしょう。僕もそれを否定するつもりはありませんが、たとえフセインを吊した背後に大量破壊兵器がなかろうが、たとえカダフィを屠った後のリビアが混沌に飲み込まれようが、そういうことを通して世界のアメリカ覇権は保たれているわけですから、各侵略行為をもってアメリカを責めちゃいけないでしょう。

 

なるほど、この手のむやみやたらな戦争が米国の勢力維持に役立っていない、あるいはそれを損なっているのかもしれません。しかしながら、それはやっこさんの問題であって僕らの気にすることではない。狐が虎のやり方に口を出すなんてことがあっちゃいけないのです。

 

となれば我々に残されている選択肢はふたつ。

ひとつはアメリカのやり方に四の五の言わずに付き従っていくこと。つまり岡崎久彦流に生きるってことです。

 

もう一方は、アメリカさんと一緒にいるのかいないのか、それを日本の方で考えて生きていく道です。これは大変厳しい。なぜって、自立に一番必要なものは継続性と一貫性だからです。

 

これがなければ交渉なんて出来やしない。少し締められてはあっちを向いたりこっちを向いたり、そんなガキがまともにテーブルにつけるわけがないのです。

 

そして日本にはこれが一番足りない。信じる生き方も、信じられる国体もないのだから当然です。学問でも商売でも、はたまた戦争でも、最後に勝つのは信じる力が強いやつだ。

 

一年前はコロナ怖い、今じゃ宴会、でもマスク、そんな浮ついたガキはアメリカさんにみかじめ料を上納しているのがお似合いじゃないでしょうかね。