いつか書いたろうか。
昨春の第一次緊急事態宣言発出前、私と友人Kのは車で釣りへ出かけようとしていた。
その当時Kの婚約者だったMは、これにヒステリーを起し、
こんな時に一体何を考えているのだと泣き喚き、直談判させろだなんだと騒ぎ、
挙句親にまで泣きついて釣りは流れた。
まったく馬鹿らしい限りだが、驚くべきはこの女、その後秋口にはケロッとして
感染拡大中の東京から畿内の実家や行楽地に旅行に出かけ、
今や緊急事態宣言下にある東京で時短要請を無視して開いている居酒屋で
夜遅くまで飲み歩いているときた。
これがコロナヒステリーの末路だ。
早かれ遅かれ、きっとこうしてケロッと日常を取り戻してしまう。
あのヒステリーに付き合わされた者だけがわりをくう。
失業者など目も当てられん。
いや、おそらく彼らは結託して、あたかも勇敢な選択であるかのように装って
自粛にけりをつけるかもしれない。
なし崩しになるのかどこかで取り繕った区切りを設けるのかわからぬが、
いずれにせよ彼らが近い将来辿るのは、一貫性のない、厚顔無恥で軽薄な、
如何にも戦後日本人らしい姿なのだろう。