小幡敏の日記

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懲りない国民

この国の国民は本当に反省というものを知らない。この際反省なんて言葉は国語辞典から抹消したほうがよい。

 

例えばこんな記事。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6367013

 

記事というか、コメントが問題だが、まぁ潔いというか片腹痛いというか、いつの間にか国民はすっかり経済再開派に寝返っている。

 

そんなことははじめから分かり切っていて、4月前後の大騒ぎのころから、国民の大多数はただうろたえていただけであるし、マスクも外分を気にして付け始めたのが日常になってしまっただけなので風向き次第でどうにでも心変わりすると私は言い続けていた。こいつら誰かが熱中症で死にでもすりゃ恭しくまたしょうもない合意をしてうきうきルンルン解放に向かうぞと。

 

加えて全く馬鹿げているのは、ワイドショー叩きである。ワイドショーが危機を煽った、ワイドショーに世間が惑わされた、そんな言い草、よく言えたものだ。最初期からワイドショーの欺瞞と害悪についてはことあるごとに説いたものの、ほとんど全ての者はこれを黙殺し、テレビにかじりついて固唾をのんで日々を送っていた。

 

それがいまや、騙されたとでも言いたいようではないか。馬鹿馬鹿しい。これはまさしく戦後日本人の態度である。

 

軍部と一緒になって戦勝に酔っていた連中が、いざ敗戦すると『軍部に騙されていた』などと宣う。戦勝国WGIPには喜んで飛び付く。私達は悪くない、悪いのは軍部だ、というのと、私達は悪くない、ワイドショーが悪いんだというのは、全く瓜二つである。

 

いい加減に反省したらどうか。君たち国民、否、我々国民はワイドショーごときにいともたやすく洗脳される頭脳貧弱の民である。まともにものを考えることも出来なければ、社会のあり方を構想することなどとても出来やしないのであると。

 

反省すべきことはごまんとあるのに、何一つ反省しない国民。政治家が悪いという前に、その政治家を選んだ見る目の無さを呪わないか。だまされた、いや、選挙で人を見抜くのは無理だ、というなら、間接民主主義は破綻していることを思わねばなるまい。

 

いずれにせよ、成すべきは反省、反省、反省である。

 

あの時『こんな状況で出掛けるなんてどうかしてる!』と喚いたMよ、今では呑気に旅行などしているが、一体どういう了見なのか。悪いが大半の国民はこれとさして変わらない掌返しを幾度となく繰り返しているではないか。

 

今更どの口がワイドショーを叩ける、政治家を馬鹿に出来る。反省すべきは国民の無思慮と無分別ではないか。

 

この調子ではまた戦争の惨禍に等しい悲劇が訪れること請け合いである。それがいやなら反省することだ。反省、反省、反省、それだけである。