新年明けましておめでとうございます。
暗いことばかり言う私でも、新年というのはやはり気分が変わります。思えば私が自衛隊を辞めたのは昨年の1月10日ですから、もうすぐ一年が経とうとしているわけです。
一年経って思うのは、なんやかんやと言ったところで、私は自衛隊とぴったり合っていたし、自衛隊が好きだった、自衛官が好きだった、ということです。戻れるものなら戻りたい、とすら思うこともあります。
これはいったいどういうことかと思ったとき、どうやらこれは、愛した女が思い通りの女じゃないとなじるのににている。なぜお前は俺の愛に応えてくれぬのかと身勝手に片思いをしている哀れな男の姿そのものではないか。
たしかに身勝手ではありましょう。ですが、こういう身勝手な愛情に勝る愛というものがあるのか。愛は許すことだなどと言われたところで、私にはまだ行儀が良すぎるようにしか思えません。
なぜ完璧とも思える貴女が性的に奔放であるのか、そういう裏切られた感情、それを自衛隊には抱き続けてきました。
そこに挫折し、妥協して、穏やかな結婚をしたところで、その善良でつつましい妻を、自身の夢を裏切った女ほども愛せないというのがつらいところです。
初めて愛した女を超える女は、人生をかけてもお目にかかることなどありますまい。私は自衛隊というものと生涯格闘していかねばならないのでしょう。