小幡敏の日記

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自衛官の名誉の為に

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勿論このケースについてのことを僕は知らない。

 

が、自衛官の操縦資格はうんざりするほどの操縦訓練を要するし、取得した後も走行距離や無事故無違反歴を考慮して級別に管理される。あれだけのことをして訓練が足りないとか技術が低いとかいうのであれば、自衛官は皆トラックドライバーにでもしなければ務まらんはずだ。

 

運行上も車長がおかれ、単独運行が通常認められないなど、出来る限りのことはしている。もっとも、車長が未熟な陸士でよいのか、といったケースはあるが、それとて自衛隊の低充足が招いたことであり、陸士車長はベテラン操縦者につけるなど、考えられる処置はしているのだ。

 

それでも事故が起きるのは、一般論として言えば、慣れない道を、それも山道を含む下道を走らされたりするからであり、それは悲しいかな、高速料金が払えないからである。

あるいは、民間車両を巻き込んだ事故を恐れる余り、狭い山道などで回避行動をとったがために、かえって危険な運転手となることもある。私が九州にいったとき、あれは十文字のあたりだったと思うが、対向車が嫌がらせのためか白線ギリギリに膨らんでくるのを避けるためにガードレールにぶつかったことがあった。あれとて一歩間違えれば崖下に真っ逆さまだ。

 

そうでなくとも演習帰りなどは疲労困憊、二三日まともに寝ていない状態で移動を強いられるのだから事故を起こさない方が不思議だ。それなら休めというかもしれぬが、演習場も装備も設備もカツカツの自衛隊にそんな余裕があるものか。詰め込まれた日程の中でせき立てられながらやるしかないんだ。

 

そういう事情もしらないで、自衛官のことを悪く言うものではない。安全管理おばけに取り憑かれた自衛隊が、それでも起こす事故というのは、まずもって自衛官の責任ではない。簡単に不注意というが、あのような構造的不注意は自衛隊無為無策だから引き起こされるわけではない。これでも自衛隊が悪い、自衛官が悪いと言うようなことがあるのなら、自衛官があんまり可哀想だ。それが少数であっても、怯えきった自衛隊は彼らの言はしているのだ。気にする。そして、そのような立場に捨て置いているのは、自衛隊に好意を持つという大多数の者を含む日本国民なのである。