先日ある国会議員さんから『自衛隊に現状を本気で変えようという者は防大卒業者含めていないのか』と問われたので、『いない』というと、『一人もか』と更に問う。僕は堂々と『一人もですよ』と言い切ったが、彼の顔には微かに『それは幼稚でヒステリックな見解だ』という色が見えた。
これは思い過ごしかもしれないが、いずれにせよ、僕は今ここに同じことを問われても同じように答える。
なぜといって、僕自身そんな人間に会ったことはないのだから。そらなんとかしたいと思っている人くらいならいくらもありますがね。本気の人間なんて居ませんよ。僕は少なくとも見たことがない。
勿論それは能力の問題である場合もあるわけですが、両者兼ね備えた人間は残念ながらなかった。
そして、もう一つ、『そんなことはお前の狭い見聞の中の話だろう』という者に答えておくと、左様、その通りである。しかしながら、それこそ僕の考える様式である。手触りのないものに信頼などおけるものか。僕は漫然と五年のあいだ自衛隊をうろついたんでもなし、僕の経験を曖昧な想像力などよりも信ずる。
それと、最近ドローンの戦果が強調されるが、5、6年前に私も少なくとも偵察用には早急に導入したらいいと言ったことがある。もちろん研究開発部門にいるわけでもない初級幹部の意見が取り上げられることなど期待していないが、その時に言われたのは『楽をしようとするな』ということだ。
全く馬鹿馬鹿しい、死にたいやつは死ねばいいが、犠牲者を減らそうとする者を何故妨げようとするのか。
頑張ったら報われる式の考えは、考えないということと同義である。