信州勉強会で少し話題に出ました戦時下ボーイスカウトの逸話について、紹介しておきます。
(以下文字起こし)
この影像は 南洋のどこかの島であった激戦のあとの まだなまなましい実話の記念像である
一人のアメリカ兵が重傷をおうて倒れていた
銃声もたえて静なとき 人の足音が近づいてくる 眼をさますとそこに一人の日本兵が剣付鉄砲を持ってつったっていた アッやられる と思いつめた彼は気がとおくなってしまった
暫くたって彼は気をとり返した 傍の砂の上に白い紙切れがあるのを何心なくポケットにいれた
まもなく担架で彼は野戦救護所にはこばれた
手術台にのせられたとき 彼はポケットの紙切れを思いだしドクターに渡した それには こう誌してあった
ぼくは きみを刺そうとしたとき きみは三指の礼をした ぼくもスカウトなのだ スカウトは兄弟だ 戦斗力を失ったものは殺せぬ 傷には手当てをしておいたよ
グッドラック
戦後 この兵は父とつれだって雨地下のボーイスカウト本部を訪ねて右の話を伝えた スカウト精神を讃えこの運動のためにと献金して行った
一九五二年 アメリカの本部から日本のボーイスカウト運動を視察にきたフィンネル氏が戦時中の美談としてこの実話を伝へてくれた
一人のアメリカ兵はいまに本名を明かさず
一人の日本兵はおそらく戦死したであろう
無名のスカウト戦士 これこそ日本の武士道スカウト精神の結晶である