小幡敏の日記

評論を書いております。ご連絡はobata.tr6★gmail.comまで。(☆を@に))

自衛隊は便利屋じゃないと何度言ったらわかるんだ

新年初出社ということで会社に行くと、同僚の一人から『なんで自衛隊はもっと早く被災地に行ってあげないのか』と言われた。

 

なぜ僕がそのことで責められなればならないかは知らんが、取り敢えずは『災害支援は警察消防の領分で、自衛隊の本来業務ではない上に、都道府県知事からの要請を受けて出る必要もある。そもそも先遣が出るのも遅れた印象はないし、自衛隊が非難される覚えはない』と弁護すると、

 

『小牧なんか近いんだからあそこから支援に行けばいい』

 

とおっしゃる。実任務を持つ、おまけに航空基地の小牧からどうやって人数を供出させるつもりなのはしらんが、その時点でだいぶ腹が立っていたから説明することなんか放り出して、

 

『そんなら言いますが、今でこそ困ったときの自衛隊さんで早く来て手伝え、風呂を沸かせ、水を配れと言うが、災害派遣に出ることさえ国民の顔色を伺わなければならない状態に自衛隊を置き続けていたあなたら国民に、自衛隊のケツを叩くようなことを言う資格がありますか。北陸の被災民は気の毒だが、僕は日本人がいくら困ったって、そら国民さんの都合であって自衛隊にゃ関わりはねえんだとさえ思いますよ』

 

と答えた。

するとまあ飼い犬(自衛隊)に歯向かわれたとでも思ったか、やや気色ばんで、

 

『でも自衛隊がきたら安心すると思うんだけど』

 

というから、

 

『相続が近くなって優しくする不孝者みたいなことをしておいて、困ったときだけ持ち上げたって自衛隊じゃ迷惑だと思いますね。何度も言いますが、自衛隊は国防のための組織で、災害派遣のためにあるんじゃない。国防組織としての命を自衛隊に吹き込んでやらない限り、自衛隊に変な期待をかけるのは不義理ですよ』

 

といって御仕舞にした。

国民の方で自衛隊に何某かの期待をかけるのであれば、『これまではむごいことをした。勘弁してくれ』と自衛隊に謝り、まともな存在根拠と待遇を与えてやるのが先である。

 

自衛隊は真面目だから眼の前の被災民を律儀に助けるのだろうが、国民の方に少しくらい注文をつけたらいいし、自衛隊にはその資格がある。

 

それで日本の連中が『何を生意気な』、『こんなときになんだ』とくるのであれば、その時こそそんな国民は捨ててやればいい。自衛隊に国を背負って立つ気概があるのであれば、国民と戦うくらいの意気がなければ駄目だ。