小幡敏の日記

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白人女を連れた日本人

一頃まで、といっても、つい最近まで、日本人の男が白人女を連れてる場合、だいたいが日本人の方に気後れなり変な虚勢があって、それはそれで大変に目障りなものであったが、このほど久方振りに都内にもどってきて感じるのは、この手の人間のうちある程度の者がもっともらしい顔付きでさしたる力みもなく連れ立って歩く姿の異様さだ。

 

これは日本人の大変な進歩なのか。明治以来のがに股短足日本男児の気風がついに文明開化したのか。

 

それにしてはこの不快はなんだろうか。あの醜さが可愛らしく、親しげな顔をして去っていってしまう。

 

僕は進歩を望む。だが、彼ら進化した日本人のなかに、何の独立精神もなきうちに、根拠なき個人崇拝の裏返しとしての破廉恥な自信のみが育まれていくことには抵抗せねばならない。

 

あいつらが、進歩せる日本人であってよいはずがない。

 

とはいえ、この逆、白人男に連れられた日本の女がいまだパンパンの目つきを色濃く保っていることは、女が大地の生き物であることをあかし立てるとともに、日本の宿命と生きる道を示している。