小幡敏の日記

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正論三月号

これでいいのか防衛予算

 

との特集が組まれていたので読んだものの、

 

これでいいのか正論特集

 

というのが率直な感想である。

まず一人目のおじさんの論文。東条二等兵と罵った石原完爾にならって言うなら、いやみなまで言うまい。

この予算がかくかくしかじかである、戦略に乏しい、それはわかる。だがしかし、それは誰に向けて訴えているのか。閣下が語られる予算不備など、閣下の口から語るまでもない。閣下が言うべきはそんな些事ではないのではないか。むしろ自衛隊が斯様な境遇に追いやられ、安倍晋三という表向きは親自衛隊頭目を得てもいっかな改善が得られないことへの異議を唱えなければならないのではないか。それはすなわち、この国と国民への正面からの闘争であるが、その必要が理解できながらやらぬのであれば、それこそ義を見てせざるは勇なきなり。二等兵も務まらぬ臆病者ではないのか。

 

二人目のおじさん、これはひどい。国防大学の教授が、『外国が恐いから自衛隊の基地と米軍の基地をがっちゃんこして米軍を抱き込もう』なんてことを臆面もなく仰る。

こんなものは語るにおちる。ヤクザに用心棒を頼むようなことを国がせよというのだからたいしたものだ。こんな教授が教鞭をとるのであるから、防衛大出身者諸君のお里が知れるというものだ。恥知らず諸君、任官おめでとう。

 

三人目のおじさんは、AIに論文を書かせたようなので、原稿料をもらっているとしたら詐取かなにかに該当しないか、心配している、大丈夫だろうか。

 

私はただ誹謗したいのではない。正論という保守論壇誌の旗手がこのような安保特集を組んでよいのだろうか、と疑問視しているのである。むしろ、恐らくは世間からもっとも信頼されている保守論壇誌として、もっと有意義かつ真剣な議論を提出してもらいたいのである。私だって中高生の時分、正論や諸君などを読んで勉強したのだ、生き残った数少ない言論誌に対し、応援する気持ちに変わりはない。

 

そう思いませんか、真駒内のごろり君。