小幡敏の日記

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ちと奇形が多過ぎやしませんか

まったくこの頃は奇形が増えすぎてしまって、もう健全とか健康とかいう言葉が意味をなさなくなってしまっている。

 

僕は肉体賛美とかせんこともないから日陰に縁のない恵まれた人間だと思われがちだが、別段そうでもない。そもそも自身も半ばは奇形に過ぎない。

 

むしろ一番居心地がいいのは、世の中に価値の秩序がはっきり、押しも押されぬものとしてあって、安定した、どっしりとした正統的な多数派にはじかれたものたちに心を寄せることである。

 

しかしながら、これだけ奇形が多いと奇形の方でも特段不自由はないようで、僕などには用がないそうだ。

 

それははたして世の中の進歩といえるのか。

 

奇形しかおらぬ世界は奇形さえもその力を発揮出来なくなってはいないか。

そういうことに少しは注意を払うべきではないのか。